私がデザインしたチラシをデザインの先生に見てもらった時、ちょっと「?」と思うような特徴を指摘された。
とても不安になって、「それは(デザイナーとして)いいことなんですか?悪いことなんですか?」と聞くと「それが手塚さんなんだから仕方ないじゃない」。
衝撃を受けた。
そうか。
仕方ないんだな。
独学で、美術やデザインの現場に身を置いたこともないことが不安だった。なにか見たことがない「デザイナー」という枠や形のようなものがあるのだろう、それにならなくちゃ、と思っていた。
でも、なにか違うらしい、ということが一瞬でわかってものすごく張りつめていたものがとけたことだけは強く覚えている。
自分の感じ方、表現の仕方。技術はもちろん学んで身につけることができるけれど、固有のにじみ出るものは「仕方ないじゃない」。
好ましく感じるもの、苦手なもの、認識しやすいもの、わからないもの。そういう感じ方の本質的な部分は、自分でも変えることはできない。
ならば、その「自分」に立ったところからしか始められないんじゃないかなあ。などと思う夜。